先月12月1日、敬宮愛子内親王殿下は18歳のお誕生日を迎えられました。
すっかり大人になられ、世間からは「愛子さまを女性天皇に」という声が日に日に増しているようです。
朝日新聞系列のメディアAERA dot.によると、朝日新聞社が19年4月に発表した全国世論調査では76%が「女性も天皇になれるようにした方がよい」と答えています。
さらに10月に共同通信社が発表した世論調査では「女性天皇を認めることに賛成」が81.9%にまで達したといいます。
皇室と一般常識は分けて考えるべき
男女平等はもちろん大切ですし、女性がより社会で活躍できる環境ができていくことは素晴らしいです。
これは一般原則ですよね。
しかし、皇室においては例外です。
要するに女性天皇を安易に容認すべきでない理由は2つあります。
- 女性天皇は法律で認められていないから
- 天皇は「特権」ではないから
順番に見てみましょう。
1.女性天皇は法律で認められていないから
今の状況で愛子内親王殿下が女性天皇に御即位なさるのは不可能です。
こちらはきちんと皇室に関する法律で定められています。
皇室情報チャンネルをご覧の方ならご存知だと思います。
答えは皇室典範。
皇室典範の第1章は皇位継承についてです。
要するに、一番はじめに答えが載っています。
皇室典範
第一章 皇位継承
第一条 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。
厳密に述べると、女性天皇は認められていないわけでなく、継承の順位が極めて後ろにあります。
現在の皇位継承順位の一番は秋篠宮殿下です。
この順序を変えるには皇室典範を改正する必要があります。
感情的に女性天皇に賛成あるいは反対するのではなく、根拠に基づいた主張は欠かせません。
もし民主主義に基づいた法改正がなされ皇位継承順位が変わったのなら、法的な意味では、女性天皇に賛成せざるを得ないでしょう。
2.天皇は「特権」ではないから
一方で、こちらは感情的な話になります。
筆者もよく、以下のような主張を耳にします。
「女性が天皇になれないのは可哀想」
「愛子さまを認めてあげないのはひどい」
これには共感できません。なぜなら下記のようなニュアンスを感じるからです。
「愛子さまは天皇になりたがっている」
「天皇は特権である」
「愛子さまは天皇になりたがっている」
どうやって確認したのでしょう。
裏を取るなんて不可能ですよね。
天皇陛下(当時)がご譲位の御心を示された際に政府が対応しようとすると「政治利用だ」などの批判がありました。
そのため、皇族の方々はご自身の立ち位置に影響を与えるようなご発言はできません。
加えて、宮内庁の職員であれば、何かを直接聞くこともあるかもしれませんが、こちらもリークすれば国家公務員法違反となるため、まずマスコミに情報は流れないでしょう。
我々国民の力だけでは、内親王殿下のご意志を証明する方法が見つからないはずです。
「天皇は特権である」
いえ、特権ではありません。
上記のような考えでいると、自然に「天皇は特権」と思い込んでしまいます。
【愛子さまは天皇になりたい⇄天皇はオイシイ】
このように誤った思考が循環するのです。
しかし天皇は特権でもなんでもありません。
女性初の総理大臣や女性社長とは意味合いが大いに異なります。
天皇は象徴です。
天皇の役割は『祈る』ことであり、国の安全と国民の幸福を絶えず願い続けなければなりません。
したがって、自分の幸せなど考える時間すらありません。
東日本大震災の後、天皇皇后両陛下(当時)は被災地に行幸啓なされました。
ご高齢にも関わらず、被災者の方々ひとりひとりと目の高さを合わせ、手を握り励まされました。
お身体に痛みを抱えながら、です。
あなたに質問です。
天皇は特権ですか?
まとめ
今回は愛子内親王殿下への女性天皇待望論について意見を申し上げました。
そもそも女性天皇の実現は不可能です。
しかし、法改正をすれば問題ありませんし、日本は法治国家ですから我々もそれに従う必要があります。
加えて、情緒的な面に言及をすれば、天皇とはもっとも辛い役割だと言っても過言ではないでしょう。
自己があるのにも関わらず、自分のことは考えられないからです。
したがって「愛子さま天皇になって」は「私たちのことだけ考えてね」に等しいと言えるでしょう。
本来なら、天皇になるはずでない運命だった愛子内親王殿下。
もちろん、皇族でいらっしゃる以上、心身ともに凄まじいほど大変であることは前提です。
その上であなたは内親王殿下に御即位を希望されますか?
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