皇室関連

ヘンリー王子夫婦のセミリタイア発言からもし日本の皇族が自分の意思で皇籍離脱を宣言したらどうなる?

先日、英王室のヘンリー王子夫妻がセミリタイア宣言し話題となりました。

ヘンリー王子夫妻は経済的に独立をし北欧でも暮らすのが理想としています。

公務は続けるとしつつも、王室の主要メンバーから身を引く考えです。

王子夫妻は王室に残りますが、このニュースをきっかけに、日本においても皇族が自分の意思で皇籍離脱を宣言したらどうなるかについて書きたいと思います。

現行の法制度では皇族はリタイアは可能なのか


まずは今の法律で皇籍離脱は可能なのかを見ていきます。

皇室典範第11条から14条に皇族の身分についての記載があります。

それらを元に表を作成しました。

(表)皇族の皇籍離脱に関する条件

本人の意思 特別な理由
皇太子・皇太孫 できない できない
親王(上記を除く) できない できる
内親王 できる できる
できる できる
女王 できる できる

さまざまなケースがありますが、原則として、皇室会議で認められなければ皇籍から離脱することはできません。

これは前提条件ですが、基本的に内親王や王、女王は皇籍離脱が可能です。

加えて、特別な事情があれば、(皇太子・皇太孫以外の)親王も皇室を離れることができます。

いずれにせよ、皇位継承順位が上位である皇太子と皇太孫は皇籍離脱ができません。

年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。親王(皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。

e-Gav 電子政府の総合窓口より

なので今回の記事の問いであるタイトルに回答するなら、皇室の皇籍離脱は立場による、ということになります。

いずれにせよ皇籍離脱については臨時会議は立ち上がる

皇籍離脱が許された立場の皇族が意思を示すと皇室会議が立ち上がり、議論が始められます。

仮に皇籍離脱が認められていない皇太子ないし皇太孫が万が一、皇籍離脱を希望しそれを表明したとしても、政府が大至急動くはずです。

これはあり得ませんが、皇室に動きがあると政府も動かざるを得ないという意味です。

天皇の譲位とは本質が異なる


では「以前の譲位とどう違うの?」なんて声が聞こえてきそうです。

私たちは譲位と皇籍離脱をしっかりと分けて考えなければいけません。

  • 譲位→その後も皇室に残る
  • 皇籍離脱→その後は一般人になる

などといった言葉の意味の話ではありません。

もっと抽象的な、責任論のような類いの議論です。

なぜ天皇陛下(当時)はご譲位をなさったか

昨年の春に当時の天皇陛下(現:上皇陛下)がご譲位なさり、皇太子殿下(当時)が天皇にご即位なされました。

「現在の地位から降りる」という意味では天皇陛下(当時)と皇族の皇籍離脱は近しいものに感じるかもしれません。

しかし、本質は全く異なります。

そもそも天皇の仕事とは国民の健康や幸せを祈ることです。

皇族の役目は、皇統を受け継ぐことも確かですが、天皇と同じように国民のことを考えなければなりません。

当時、天皇陛下はご自身の都合で譲位なさったのでしょうか?

ただ「辛いから」ですか?

違います。

ご高齢になられ公務に支障が出て、国民に迷惑がかかるかもしれないと思われたからです。

私たちのことを考え続けられた結果、譲位という大御心をお示しになられました。

皇籍離脱は尊重すべきだが…

一方で、皇族の方がご自身の都合で皇籍を離脱するとしましょう。

法に基づいた決定ですから、これは全く問題はありません。

日本は法治国家のため、極めて正当でしょう。

また、皇族に生まれたからには、ご公務は避けられずプライベートもほとんどありません。

常に日本や国民のことを優先に考える必要があります。

生まれる前にご自身で皇族になると決められたはずはありません。

そのため皇室典範にのっとった権利の行使は尊重すべきでしょう。

譲位との違いは、意思決定における理由が自身にあるか、他人にあるかの点です。

まとめ

皇室においては法に基づいて皇籍の離脱が可能です。

ただし、皇室会議で認められた場合に限り、皇太子と皇太孫はそもそも不可能。

天皇の譲位とは分けて考える必要があります。

自身の意思による皇籍離脱は、意思決定の理由が本人に向いていますが、皇室典範が保障している権利なので尊重すべきです。

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